不良URLが急に増えた!サーチコンソールの「ウェブに関する主な指標」でよくある現象の理由について解説

Googleサーチコンソール

Google検索エンジンには、「コアウェブバイタル(Core Web Vitals)」と呼ばれるページ表示速度に関する重要な指標があり、サーチコンソール上でそれらの動向を確認できるレポートが用意されている。

左メニューの「ウェブに関する主な指標」をクリックすると、以下のように、デバイス別に「不良URL」「改善が必要なURL」「良好URL」がそれぞれいくつあるかが確認できる。

このレポートにおいて、たまに「不良URL」が急激に増えているときがある。
ちょうど下のような具合だ。

このグラフの場合、不良URLが急増したのは2024年3月26日である。

こういった動きは不良URLに限った話ではなく、「改善が必要なURL」や「良好URL」においても同様の動きをすることはあるが、不良URLの場合は「サイトに対して何かまずいことをしたんじゃないか…」「不具合がおきてるんじゃないか…」と思うかもしれない。

そもそもこのレポートには、ページがインデックスされないと反映されないという前提がある。

このレポートに表示されるのはインデックスに登録されている URL のみです。

出典:ウェブに関する主な指標レポート – Search Console ヘルプ

インデックスされているページすべてが、画面上にある「不良」「改善が必要」「良好」の数値に反映されるわけではないため、これら指標の合計数値と実際のページのインデックス数は合致しないが、インデックスされていないページに関しては少なくともこのグラフには反映されない。

なので、特定の指標が急激に増えたことに対してほかに心当たりがなければ、インデックス数の増減が関係している場合がほとんどなのだ。

ここで、本当にインデックスの増減が不良URLの増加と関係しているのかについては気になるところだろう。
実際に確かめる方法として、左メニュー「ページ」レポートのグラフから、同じタイミングでページのインデックス数が増加しているかどうかを確認する方法がある。

上を見てもらえれば分かるように、不良URLが増加した同じ日にインデックス数が伸びていることがわかるだろう。

しかしこのレポートでは、グラフ表現的に少々因果関係がわかりづらいので、個人的には「クロール統計情報」をおすすめする。

クロール統計情報はその名のとおり、Googleのサイトに対するクロール状況を確認できるレポートで、左メニュー「設定」から、「クロールの統計情報」枠の「レポートを開く」をクリックすることで確認できる。

ここで、画面最上部の「クロールリクエストの合計数」の折れ線グラフに注目しよう。
このグラフは、GoogleからサイトURLに対して発行されたクロールリクエスト合計数の推移を表しており、クロールリクエストが成功すると、GoogleボットはURLをクロールする。

このグラフの動きを見ると、不良URLが急増した日とほぼ同じぐらいのタイミングで増加しているのが確認できる。

このグラフはあくまでページのクロールに関わる話であり、クロールされた後に本当にインデックスされたのかどうかまでは確かめられないが、クロールリクエストが増えるということは、それに比例してクロール数も増え、その後のインデックス数にも変化を与えるため、これまでインデックスされていなかったページがインデックスされ、不良URLが増えるということはおかしな話ではない。

よって、不良URLの急激な増加は、クロールの増加およびインデックス数の増加が原因である可能性が高い。

もちろん、不良URLが増えたということは良いことではないため、改善するべきであるのは間違いない。
ただ多くの方が懸念するように、サイトで何かまずいことが起きたというわけではなく、これまでGoogleによって発見されていなかったページ(正確にはインデックスされていなかったページ)が、クロール増加によって新たに見つかったことがグラフ急増の原因であるということを理解していただきたい。

少なくとも私の経験上、不良URLの急増のほとんどが今回の場合に当てはまるので、一度サーチコンソールで確認してみるとよい。