ユーザーは何回目の訪問でCVしてる?GA4で訪問回数ごとの傾向を分析する方法

Googleアナリティクス

「訪問回数」というと、言葉が似ている指標に「セッション」があるため紛らわしく思えるが、本記事では以下のように分けて定義する。

  • 訪問回数:ユーザーの1回目の訪問、2回目の訪問というように、~回目と表現できるもの
  • セッション:合計訪問数のこと

例えば、「対象期間内にサイトに訪問したすべてのユーザーの1回目の訪問は、合計〇〇セッションあって、CVRは△△%である」といった具合だ。
これは、ユーザーがどのぐらいリピート訪問してくれてるのかを知ることができ、特に一番大きなメリットとしては、何回目の訪問が一番CVが発生しやすいか(≒CVRが高いか)を把握できることである。

そこで本記事では、訪問回数ごとのセッション数やCVRの傾向を把握する方法について紹介する。

設定・分析の概要

まずは今回目指すゴールだが、以下のようなレポートを作成する。

項番の右横の数字が訪問回数の数字だ。
上記をエクスポートしてグラフにすると、さらに見やすい。

セッション数は初回訪問が最も多く、その後、訪問回数が多くなるにつれて少なくなるといった自然なかたちが見てとれる。
そして注目すべきは、CVRの推移だろう。初回訪問でCVに至る割合は0.72%とそこまで高くないのに対し、2回目、3回目と訪問を重ねるごとにCVRは高くなっていき、4回目の訪問でピークを迎えている。

このことから、このサイトにおいては、CVを多く獲得するためにはユーザーを約4回ほどリピート訪問させればよい、ということがわかる。

こういった情報がわかれば、今度は訪問回数ごとにセグメントをつくって各回のユーザーのサイト内行動の違いを分析し、1回目から2回目、2回目から3回目、3回目から4回目へとユーザーをリピート訪問に導いていくための施策を考えることができる。

なお先ほどのグラフでは、4回目以降はなめらかに下がっていくが、9回目でまた少し盛り上がりを見せている。
こういった数字の動きは、問合せ前に他社と比較したりして、かなり慎重に検討しているユーザーであろうことが予想できる。※もちろんそれだけが理由でないこともある

GA4でユーザーの訪問回数を知るための設定手順

設定の仕方は非常に簡単で、GTMなど別のツールを使う必要がないため、3分もあれば終わる。
まずGA4をひらき、管理画面から「カスタム定義」を選択する。

次に「カスタムディメンションを作成」ボタンをクリックする。

そして以下のように入力し、終わったら「保存」をクリックする。

「ga_session_number」が、訪問回数のデータを記録するパラメータとなる。
これは、「session_start」というセッションが開始されたときに発生するイベントに付与されているパラメータで、はじめから自動的に生成される。
そのため、わざわざGTMでめんどうな設定をしなくても、GA4のカスタム定義設定だけで、作業が完了するというわけだ。

あとは少し時間をあけて、探索レポートで使えるようになるのを待とう。

おわりに

今回は、訪問回数ごとのセッション数やCVRの傾向を把握する方法について紹介した。

先述したように、設定自体は非常に簡単かつすぐにできるうえに、サイトの改善に役立つ強力なディメンションになるかと思うので、とりあえず何も考えず設定だけしてしまってもよいだろう。