サイト改善をするうえでとても重要なランディングページの分析。
Googleアナリティクスを使って分析しようにも、具体的に何をどうすればわからない方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、改善すべきランディングページの探し方について、見るべき指標と改善方法もあわせて解説していきます。
ランディングページ改善はアクセス解析のなかでも1,2を争うぐらい重要なプロセスなので、ぜひ本記事を参考にしてください。
ランディングページとは?
ランディングページ(Landing Page)とは、直訳すると「着地するページ」となり、2つの意味があります。
1つは、サービス・商品の魅力を1ページでまとめ、そこから問い合わせや資料請求、購入などコンバージョンを促すための縦長ページのことです。
広告やメルマガなどのリンク先として誘導するために活用されます。
2つめの意味は、サイトを訪問したユーザーが最初に訪れるページのことを指します。
こちらの定義では、サイト内にある全ページがランディングページになる可能性があり、定まったページが存在するわけではありません。
例えばユーザーがGoogleで「〇〇博物館 展示品」と検索し、検索結果のリンクから〇〇博物館のサイトに訪問したとします。
このとき、〇〇博物館の展示品に関するページが表示されれば、それがランディングページになります。
また「〇〇博物館 アクセス」と検索し、検索結果のリンクをクリックしたときに〇〇博物館のアクセスページが表示されれば、それがランディングページになります。
Web業界内で使われるランディングページは1つめの意味を指すことが多く、通称「LP(エルピー)」と呼ばれますが、アクセス解析における「ランディングページ」は、基本的には2つめの意味として使われるため、混同しないようにしましょう。
下記記事でより詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてください。
ランディングページの改善で重要な3つの指標
Googleアナリティクスを用いたランディングページ分析で最も重要な指標は、以下3つに分類されます。
直帰率
直帰率とは、ユーザーがサイトに訪れたとき、最初のページ(ランディングページ)だけを見て、サイトから離脱することをいいます。
ユーザーの直帰は必ずしも悪いわけではありませんが、ほとんどのケースであまり良いことではありません。
なぜなら、ユーザーがページに対して満足しなかった場合に直帰が起こることが多いからです。
例えば、「京都市のウィークリーマンション|物件サイト一覧」というリンクをクリックしたときにマンスリーマンションのページが表示されたら、「あれ、違うぞ!?」となるのでないでしょうか。
このように直帰率はランディングページを改善すべきか否かを判断する重要な指標になります。
しかし多くのページが同じように直帰率が高い場合、どのページから改善していけばいいのかわからない方も多いかと思います。
そういったときは、流入数の多いページから優先して改善しましょう。
改善すべきランディングページ = 流入数が多く、直帰率が高いページ
いくら直帰率が高くても、流入数が少なければその流入数分の改善しかできません。
直帰率と流入数の2軸でみたときに、相対的に最も悪いページから改善していくようにしましょう。
移動してほしいページへの遷移率
直帰率の次に大事なのは、移動してほしいページへの遷移率です。
サイトに訪れたユーザーに求めることは、意図する導線に沿ってページを進んでもらい、最終的にコンバージョンまで至ってもらうことだからです。
いくら直帰率が低くても、次のページで離脱されたり、意図しないページへの移動が多かったりする場合は、ランディングページの改善が必要といえるでしょう。
そのため、ユーザーがサイト内で想定通りの動きをしているかを確かめるために、移動してほしいページへの遷移率も重要な指標といえます。
各ページの役割はそれぞれ違うため、そのランディングページが何を目的にしているかによりますが、直帰率が低く意図するページへの遷移率が低いページよりかは、直帰率が少しばかり高くとも意図するページへの遷移率が高いページのほうが、よいランディングページとよべるのではないでしょうか。
コンバージョンや売上への貢献度合い
サイトのそもそもの目的は、コンバージョンや売上を創出することです。
ランディングページはサイトの始まりとなる重要な役割として、コンバージョンや売上の貢献度合いも見ておく必要があります。
改善すべきランディングページの探し方
では実際に課題のあるランディングページを特定していきましょう。
直帰率と遷移率の2つの観点を解説します。
直帰率の高いランディングページを特定する
Googleアナリティクスの画面を開き、「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」の順に進みます。
すると、以下のようにランディングページに関するレポートが表示されます。
ランディングページ分析で最も重要なのは直帰率なので、直帰率の部分をクリックし、降順に並び替えます。
多くのページが直帰率100%と、かなり高いことがわかります。
しかし、上記に表示されたページを1から順番に直していけばいいのかというと、そうではありません。
セッション数を見てみると、どのページも1セッションしかないことがわかります。
そこでページの流入数も考慮に入れつつ、改善すべきページの順番に並び変えましょう。
データ表の上部にある「並び替えの種類」の右横、「デフォルト」と表示されているボタンをクリックし、「加重」に変更します。
すると、以下のように表示されます。
加重は、Googleアナリティクスがランディングページを改善効果の高い順に抽出してくれる機能です。
今回のレポート画面はGoogleマーチャンダイズストアのデータになりますが、上記で最も改善が必要なページはトップページ(/home)ということになります。
トップぺージは、2位以下のページと比べて流入数がずば抜けて多いのにもかかわらず、直帰率も50%超えと、それなりに高いのがわかります。
一方、4位~7位のページは、1位~3位のページよりも直帰率が高い傾向にありますが、流入数の多さやページの目的などをかんがみて、優先度としては少し低めになっています。
移動してほしいページへの遷移率を特定する
つづいて、遷移先ページと遷移率を確認する方法をご紹介します。
「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」レポートを開きます。
ランディングページのURLをどれか1つクリックします。
今回は「/google+redesign/apparel」のアパレル系商品ページをクリックしてみることにします。
つづいて、グラフ上部にある「入口からの遷移」タブをクリックします。
すると、選択したランディングページの遷移先ページが1位~10位まで表示されます。
11位以降の2ぺージ目は表示されませんが、下部の検索ボックスの中に調べたいページのURLを入力すると、セッション数と遷移率ともに確認できます。
上記の場合、アパレル系商品ページからトップページへの遷移率が11.4%、男性向けアパレル商品ページへの遷移率が7.9%ということがわかり、ランディングページを改善するうえでよいヒントとなりそうです。
改善案については次項で後述します。
また、コンバージョン率や収益もあわせて確認したい場合は、セカンダリディメンションを利用して行う方法も効果的です。
先ほどと同じように1つのURLを選択した状態から、セカンダリディメンションの「行動」→「2ページ目」を設定します。
すると、どの導線が最も収益に繋がりやすいか、コンバージョンに至りやすいかがわかります。
ランディングページの改善方法
改善すべきランディングページを特定できたら、次に、なぜそのランディングページは直帰率が高いのか、遷移率が悪いのかなど原因を探り、仮説を立てる必要があります。
どこに課題があるのかを突き止めやすくするために、具体的な方法についてご紹介します。
直帰率の改善方法
ランディングページの直帰率を改善するときは、直帰率ともう1つの軸をかけあわせて分析すると、どこに原因があるのかが明確になり、打開策が見いだせます。
かけあわせるもう1つの軸は「参照元/メディア」と「新規率・リピーター率」がオススメです。
直帰率と参照元/メディアをかけあわせる
ランディングページの直帰率が高い理由には大きく2つのパターンが考えられます。
上記のどちらが直帰率に影響を及ぼしているかを探るために、まずは直帰率と流入元をかけあわせて分析していきましょう。
最初に、先ほどの手順と同じようにGoogleアナリティクスの「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」から直帰率を降順にし、並び変えの種類を「加重」に設定します。
次に、セカンダリディメンションに「参照元/メディア」を選択します。
すると、直帰率の多い各ランディングページがどの媒体のどの経路からアクセスしてきたかがわかるようになりました。
つづいて、表の右上にある「アドバンス」をクリックし、分析したいページのURLの一部などをテキストボックスに入力し、「適用」ボタンをクリックします。
今回は、2位のファッション系商品のページ(/google+redesign/apparel)のURLについて調べました。
このとき、どの流入元からでも直帰率がだいたい同じであるとき、流入元ではなくページ自体に問題があるといえるでしょう。
しかし上記の場合、1位であるGoogleにおける広告など有料検索(google/cpc)の直帰率が抜きんでて高いことがわかります。
このような場合、「/google+redesign/apparel」を出稿している有料検索の誘導文やデザインを見直す必要があるのではないか、という仮説が立ちます。
有料検索をクリックするユーザーは本来、自分のニーズが顕在化された見込みの高いユーザーです。
にもかかわらず、有料検索からの直帰率が高いということは、広告の見出し文や説明文、あるいはバナー画像など、見直す必要があるといえるでしょう。
あるいは、有料検索からの誘導先のランディングページを変更してみるのもオススメです。
例えば、1位の「/google+redesign/apparel」は流入数もそこそこあることから、ユーザーが有料検索の誘導文に関心を示してくれていることが予想できます。
そのため流入元の情報は変えずに、ランディングページを変えてみるというのも1つの手かもしれません。
またどの流入元からでも直帰率がだいたい同じぐらいの場合は、ランディングページそのものを改善する必要があるため、そのようなときは、該当ぺージと似たようなページで直帰率の低いものと比較して違いを発見する方法が有効です。
例えば、アパレル系の商品一覧ページとグッズ系の商品一覧ページを比較するなど同じレイヤーのページを見比べ、直帰率の低いぺージにはあって直帰率の高いページにはないものを特定できると改善しやすくなります。
くれぐれもトップページと商品一覧ページのように、ページの目的が違うもの同士を比較しないようにしましょう。
直帰率と新規率・リピート率をかけあわせる
新規率やリピート率とかけあわせることで、どちらのユーザータイプにとって見やすいか使いやすいかを判断することも重要です。
方法は先ほどの直帰率×参照元/メディアとほぼ同じで、セカンダリディメンションで「ユーザータイプ」を選択すると、確認できます。
上記の場合、リピーターよりも明らかに新規ユーザーをケアしたほうがよさそうでしょう。
例えば新規ユーザーが迷わないような見やすくわかりやすいコンテンツを用意したり、別ページへ遷移させるリンクを用意してあげるような対策ができます。
また新規率・リピーター率の分析は、セカンダリディメンションではなく、セグメントからもわかりやすく確認できます。
上部の「すべてのユーザー」をクリックし、チェックをはずすともに、「新規ユーザー」と「リピーター」にチェックを入れ、適用ボタンをクリックします。
すると、上記のような結果になりました。
このやり方で分析する場合は加重が使えないため、セッションを降順にし、直帰率と比較して見ていきます。
リピーターの直帰率よりも新規ユーザーの方がセッション数も直帰率も高いことがわかります。
遷移率に関する改善方法
前項で、アパレル系商品ページ(/google+redesign/apparel)の遷移先および遷移率を分析した際に、トップページへの遷移率が11.4%、男性向けアパレル商品ページへの遷移率が7.9%ということがわかりました。
商品ページの目的は、購入画面に進んでもらったり、同階層である他の商品ページへ移動してもらったりすることで、トップページへの遷移は好ましくありません。
そこで、意図したページへのリンクボタンを大きくするなり、色を変えてみるなり、あるいは、わかりやすい場所に配置するなどの改善案が考えられます。
また、男性向けアパレル商品ページへの移動は悪い遷移ではなく、むしろ男性ユーザーによく見られているということになるので、そういった方に訴求できるような工夫をこらすとよいでしょう。
改善すべきランディングページは、慣れれば誰でもカンタンに探せる!
今回はランディングぺージ分析における重要指標とGoogleアナリティクスを使った探し方、改善方法について解説しました。
重要指標は「直帰率」と「移動してほしいページへの遷移率」の2つで、直帰率が高い原因を探る方法は、「流入元」とかけあわせるやり方と「新規率・リピーター率」をかけあわせるやり方の2パターンがありました。
ランディングページの分析・改善はアクセス解析の分野でも特に重要ですが、慣れてくるとやり方や対処法などの傾向がだんだん掴めてきます。
初めは大変かもしれませんが、ランディングページの改善作業は永続的におこなって行く必要があるため、頑張って慣れるようにしましょう。