GA4のユーザー管理「権限付与・確認・編集・削除方法」すべてを解説

Googleアナリティクス

本記事では、GA4におけるユーザー権限の付与・確認・編集・削除方法について解説する。

権限の確認方法

権限付与の方法を知る前に、まずは自身のアカウントの権限を確認する必要がある。

なぜなら、ユーザーの管理は「管理者」権限を持ったユーザーアカウントでしか行えないというルールがあり、それ以外の権限だと、そもそも権限付与ができないからだ。

自身のアカウントが管理者かどうかを調べるのは非常に簡単で、GA4の「管理画面」を開いた段階でわかる。

下の図のように、「アカウントの詳細」や「ゴミ箱」などの文字が薄いグレーでクリックできないときは、そのアカウントは「管理者」の権限を持っていない。これらは「管理者」でないとアクセスできない項目になっている。

もし、今使っているアカウントを「管理者」権限にしたいときは、下のように、「アカウントのアクセス管理」から「アクセスをリクエスト」をクリックしよう。

「管理者」権限を持っているユーザーにメールが届き、管理者が承諾すると、権限が付与される。

「管理者」権限を持っている場合、「アカウントのアクセス管理」から、誰がどのような権限を持っているのかが一覧で確認できる。

また、「プロパティのアクセス管理」をクリックすると、プロパティに対する管理権限が確認できる。

権限付与方法

それでは権限付与方法について解説していく。

まずはGA4の管理画面を開く。
アカウント権限を付与したい場合は「アカウントのアクセス管理」、プロパティ権限を付与したい場合は「プロパティのアクセス管理」をクリックする。

「アカウントのアクセス管理」と「プロパティのアクセス管理」はどちらを選べばよい?

結論、ケースバイケースなので何とも言えないが、アカウントはプロパティの上位階層であり、アカウントレベルの権限を持っている場合は、そのアカウントに含まれるすべてのプロパティを参照できてしまうため、よほど重要な立場のユーザーでない限り、「プロパティのアクセス管理」を選択することが多い。

操作画面自体はどちらも同じであるため、以下より「アカウントのアクセス管理」を選択した場合で説明する。

画面右上の青色の+ボタンをクリックし、「ユーザーを追加」を選択する。

すると、メールアドレスの入力欄とどの権限を付与するかが選択できるようになっているため、希望の項目を選ぶ。

最後に右上の「追加」ボタンをクリックすれば、操作完了だ。

権限の編集方法

権限の編集をするには、先ほどと同じように「管理」>「アカウントのアクセス管理」または「プロパティのアクセス管理」から、各アカウントの右端にある三点リーダー(︙)をクリックする。

次に「ユーザーのアカウントの詳細を表示」を選択する。※「アクセス権を削除」を選択すると、権限の削除が行える

右端の鉛筆アイコンをクリックすると、権限選択の画面が表示されるため、変更したい権限のラジオボタンを選択し、最後に「保存」を押せば完了だ。

権限の削除方法

権限を削除するには、先ほどと同じように「管理」>「アカウントのアクセス管理」または「プロパティのアクセス管理」から、各アカウントの右端にある三点リーダー(︙)をクリックする。

次に「アクセス権を削除」を選択する。※「ユーザーのアカウントの詳細を表示」を選択すると、権限の編集が行える

最後に確認画面が表示されますので、そのまま「削除」をクリックすれば完了だ。

GA4の権限の種類

GA4の管理権限は全部で6つだが、さらに「データの制限」という、レポートで使用する指標への制限も別途2つ設けられている。
ここでは、6つの管理権限と2つの「データの制限」の項目について解説する。

6つの管理権限

管理権限は縦の関係になっていて、上位権限は下位権限を含んだ上で、できることが増えるかたちになっている。

そのため下位権限から順に紹介していく。

なし

権限付与がされていない状態であるため、対象のプロパティにアクセスすることができない。

閲覧者

レポートの閲覧が可能。

標準レポートの場合、期間の設定やセカンダリディメンションの追加など、簡易的な操作は可能だが、探索レポートでの編集等は行えない。

アナリスト

「閲覧者」の権限に加え、探索レポートの操作や編集が可能。

ただし、その名のとおり分析者用の権限であるため、レポート画面での操作にとどまり、管理画面を操作する権限は含まれない。

マーケティング担当者

「アナリスト」権限に加え、オーディエンスやキーイベント、アトリビューションモデル、イベント作成などの作成や変更が可能。
これらはデータの追加取得や計測の仕方にかかわる重要な設定であり、管理画面から行うことができる。

「アナリスト」では、すでに取得されているデータの中でしか力が及ばないが、この権限の場合、分析だけでなくデータ全体を管理できるようになる。

編集者

「マーケティング担当者」に加え、プロパティ単位の設定をすべて管理できる権限である。

ただし、ユーザーアカウントの権限付与や編集、削除等を行うことはできない。

管理者

GA4の最上位概念であり、アナリティクスのすべてを管理できる権限である。

「編集者」権限に加え、ユーザーの追加や削除、レポート画面やデータへのアクセス制限などをかけられる。

まとめると権限とそれに伴う操作可能範囲は以下のようになっている。

権限できること
なし 閲覧者※「なし」の場合はプロパティにアクセスできない 「閲覧者」の場合は以下 設定とデータの表示レポートに表示するデータの変更(比較の追加、セカンダリ ディメンションの追加など)管理画面またはAPIを介した共有アセットの表示 など
アナリスト閲覧者の権限に加え、以下が可能 特定のプロパティ アセットを作成・編集・削除
マーケティング担当者アナリストの権限に加え、以下の作成・編集・削除が可能 オーディエンスコンバージョンアトリビューション モデルイベント
編集者プロパティ単位の設定をすべて管理できる
管理者ユーザーの管理も含めた、Googleアナリティクスのすべてを管理できる
出典:[GA4] アクセス権とデータ制限の管理 – アナリティクス ヘルプ

2つのデータ制限

データ制限とは、プロモーション費用や収益などの金額にかかわるデータを、特定のユーザーアカウントの画面上では表示させなくするものである。

Google広告とGA4を連携していたり、Eコマース設定をしていたりする場合は、この機能について知っておくと便利だ。

コスト指標なし

GA4とGoogle広告を連携すると、以下のような指標を利用できるようになる。

一部例)

  • Google広告の費用
  • Google広告のクリック単価
  • Google広告の動画費用
  • キーイベントあたりの費用

これらのデータを社外の関係者や特定のユーザーには表示させたくない場合にチェックを入れておくとよい。

収益指標なし

先ほどは広告出稿などのプロモーションにかかる金額のデータだったが、こちらでは売上や利益など、収益に関するデータの表示を管理できる。

収益に関する指標は、たとえば以下のようなものがある。

一部例)

  • 合計収益
  • 1日の最高収益
  • 1日の最低収益
  • eコマースの収益
  • 商品の収益

「コスト指標なし」と同じく、これらのデータも社外の関係者や特定のユーザーには表示させたくない場合にチェックを入れておくとよい。

GA4の権限付与・確認・編集時の2つの注意点

最後に、GA4の権限付与設定における注意点を2つ挙げる。

権限の付与・確認・編集・削除には自身が「管理者」になる必要がある

冒頭でも触れた通り、権限を管理するためには、自身のアカウントが「管理者」の権限を保有している必要がある。
「管理者」の次にできることが多いのは「編集者」だが、「編集者」でもアカウントの権限は管理できないので注意する必要がある。

権限の付与数には上限がある

無料版GA4の権限付与数は、アカウントが100まで、プロパティが50までという上限がある。

ただし、使わなくなったユーザーアカウントの削除を行えばその分の枠が空き、新たに追加できるようになるため、そこまで心配する必要はない。

もし権限を付与したいユーザー数がそれ以上になりそうな場合は、有償版のGA360の導入を検討するといい。
GA360は権限付与数に上限がないため、多くのユーザーが関わる大規模サイトにとっては非常に便利だ。

おわりに

今回は、GA4における権限付与をはじめ、権限の確認方法や編集・削除方法について解説した。

当ブログでは、Googleサーチコンソールの権限付与に関する記事も掲載しているため、興味があればぜひ参考にしてほしい。