GA4でUAの定義の直帰率を確認する方法を解説!

Google Analytics

GoogleアナリティクスがまだUA(ユニバーサルアナリティクス)だった時代に、サイト分析で重宝されていた「直帰率」。

GA4に切り替わってからも直帰率の指標は存在しているが、UAのときと定義が異なるため、少々使いづらさを感じたり、用途に困ったりすることも多いのではないだろうか。

しかし、GA4でもひと工夫するだけでUA時代の定義の直帰率を簡単に出すことができる。
本記事では、そのやり方について解説する。

GA4とUAの直帰率の定義の違い

UAとGA4の直帰率の定義は、以下のようになる。

UA

直帰率(%) = (直帰数 ÷ セッション数) × 100

GA4

直帰率(%) = 100% - エンゲージメント率

UAの「直帰数」とは1ページしか閲覧されなかったセッションのことで、その直帰数をすべてのセッション数で割った値で直帰率が求められる。
つまり、ユーザーがサイトに訪問し、1ページだけ閲覧してすぐにサイトから離脱したかどうかの割合を見る指標だった。

一方GA4では、エンゲージメント率の逆数で求められる指標になっている。
エンゲージメント率とは、エンゲージメントのあったセッションをすべてのセッション数で割った値で求められ、式で表すと以下のようになる。

エンゲージメント率(%) = エンゲージメントのあったセッション ÷ セッション数 × 100

上の式の「エンゲージメントのあったセッション」とは、以下の3つのうちどれかを満たすセッションのことで、GA4では「エンゲージメントのあったセッション数(1 アクティブ ユーザーあたり)」という名前で指標が存在している。

  • サイトに10秒以上の滞在があった訪問
  • 2ページ以上の閲覧があった訪問
  • キーイベント(旧:コンバージョン)が発生した訪問

まとめると、GA4の直帰率は、ユーザーのすべてのセッションに対してエンゲージメントセッションがなかった割合のことを指す。

正直言って、GA4の定義の直帰率は小難しく、UAに慣れ親しんでいた人からすると扱いづらい。
GA4には「エンゲージメント率」の指標も用意されているため、直帰率がエンゲージメント率の逆数なのであれば、そもそもエンゲージメント率だけで事足りる。

エンゲージメント率と直帰率のどちらを頻繁に使うかは分析者自身の好みなのだが、エンゲージメント率のほうが概念としてはシンプルだし、周囲の関係者の誤解を防ぐためにも、直帰率よりもエンゲージメント率を使用するほうがよいと考えている。

GA4でUAの定義の直帰率を確認する方法

前章で述べたように、GA4の直帰率はUAと定義が変わったわけだが、なぜわざわざ定義を変更させたのかと疑問に思うぐらいUAの定義の直帰率は今でもランディングページ分析に重要だと思う。

そこでここからは、GA4探索レポートでUAの定義の直帰率を出す方法について解説する。
ステップは以下である。

  1. 「直帰セッション」のセグメントをつくる
  2. 「すべてのセッション」のセグメントをつくる
  3. 指標「セッション」とかけあわせたレポートをつくる

まず「直帰セッション」についてだが、GA4のセグメント機能から以下のように設定する。

GA4セグメント 直帰セッション

分子となる直帰数は、1ページだけ閲覧して離脱した訪問のことなので、「page_view」イベントが「=1」となるようにする。

次に分母となる全セッションを出すために以下のようなセグメントをつくる。

GA4セグメント すべてのセッション

ちなみに「session_start」とは、セッション数をカウントするためのイベントのことで、ユーザーがサイトに訪問したときに必ず1回発生する。

最後に、レポートの指標を設定するところに「セッション」を持ってこれば、以下のようなレポートができあがる。

GA4 UAの定義の直帰率

あとは、手計算で「直帰セッション(直帰数)」÷「すべてのセッション」を算出するかたちとなる。

ディメンションに「年」や「月」を持ってこれば、月別で直帰率を確認することも可能だ。

GA4 月別直帰率

「一発で直帰率をレポートに表示させることはできないの?」と思われた方もいると思うが、現状GA4ではそのようなことはできないはずなのであしからず。

おわりに

本記事では、UAの定義の直帰率をGA4で実現する方法について解説した。

ランディングページのパフォーマンスを評価する指標として、UA時代の直帰率は今でも重要だと思うのだが、ネットにはGA4の新しい直帰率の概念を解説するものばかりで本記事で触れた内容についてはほとんど載っていなかったので、今回紹介させていただいた。

「UA時代の古い直帰率はもう使ってないです」という方からすればどうでもよい記事内容だったと思うが、そうでない方にとってはある程度参考になるのではないだろうか。