Googleアナリティクスで新規とリピーターを分析する方法

Googleアナリティクス
  • 「新規とリピーターはどっちが重要なの?」
  • 「Googleアナリティクスにある新規とリピーターのレポートはどう見ていけばいいの?」
  • 「リピーターを増やしていくにはどうすればいい?」

サイトを改善していくにあたり、新規とリピーターの分析はとても重要です。

しかし「自身のWebサイトは新規とリピーターではどちらが多いのか」「何度ぐらい訪問してくれているのか」「それぞれどのようなコンテンツを見ているのか」など、きちんと把握できている方は多くないかと思います。

今回はGoogleアナリティクスを利用した新規とリピーターの分析方法について解説していきます。

すぐに試せる実践的な内容になっているため、ぜひ本記事を参考にして、自身のGoogleアナリティクスで確認してみてください。

Googleアナリティクスの新規・リピーターとは?

新規とは、過去2年以内にそのWebサイトへ初めて訪れたユーザーのことで、リピーターとは、過去2年以内にそのWebサイトへ2回以上訪れたユーザーのことです。

新規かリピーターかの判別はCookieを用いて行われており、Cookieのデータ保持期間が2年間のため、過去2年以内のデータとなります。

cookieとは

ユーザーを特定するためにWebブラウザに蓄積される来歴情報のことです。ユーザーがサイトに訪問すると、デバイスとブラウザをかけあわせたランダムなIDがデバイスの中に保存され、ユーザーに関する情報やサイトの訪問回数が記録されます。

あるユーザーがいつもと違うブラウザやデバイスでサイトに再度アクセスした場合、違うユーザーとしてカウントされるため注意しましょう。

また、「新規とリピーターはどちらが大事なのか」「どちらに注力していくのがいいか」と疑問に思う方も多いかと思いますが、結論、両方とも重要といえ、比較の対象にするのは間違いです。

ビジネスが頭打ちにならないようにするためには新規ユーザーの獲得が必須になりますし、リピーターをつくるためにも新規顧客は大切です。

一方で、ユーザーが何かを購入したりお問い合わせをしたりとコンバージョンに至るのは、他社サービス・商品との比較検討後に行うことが一般的なので、ほとんどのサイトで2度目以降の訪問が多く、いかに新規をリピートにつなげられるかが鍵になってくるでしょう。

このように新規とリピーターは切り離されたものではなく、一連のつながりの中で考える必要があるため、どちらも大切で、片方に注力すればいいというわけではありません。

最も重要なのは、自身のWebサイトであれば新規ユーザーとリピーターがそれぞれどのようなコンテンツに興味があるのか特徴を把握し、各々にあった施策をほどこすことで、結果どのような反応を得られたかの観点で評価することです。

新規とリピーターの割合を分析する

ここからは、自身のサイトが新規とリピーターのどちらが多いのか、その割合について知る方法を解説していきます。

以下3つの粒度で見ていきます。

  • サイト全体
  • ページごと
  • 流入元別

サイト全体の傾向を知る

Googleアナリティクスを開き、「ユーザー」→「行動」→「新規とリピーター」の順にクリックします。

はじめはデータ表で表示されるので、円グラフにすると見やすいかと思います。
「New Visitor」が新規訪問で、「Returning Visitor」がリピーターです。

上記の場合、新規の割合が77.1%、リピーターの割合が22.9%となります。

こちらがデータ表の画面です。
新規の割合が圧倒的に多いですが、行動指標とコンバージョン指標はいずれもリピーターのほうが高い数値になっていることがわかります。

最も肝心な収益やコンバージョン率を見ると、新規よりもリピーターのほうが明らかに優れていて、このサイト(Googleマーチャンダイズストア)はリピーターを増やすことが売上アップに繋がるといえるでしょう。

ページごとの傾向を知る

つづいては粒度を細かくし、ページごとの新規・リピーター度合いを見ていきます。

先ほどと同じように「ユーザー」→「行動」→「新規とリピーター」をクリックした後、セカンダリディメンションで「行動」→「ページ」を設定します。

新規ユーザーのラベルをクリックし、降順にすると上記のようになりました。
新規ユーザーの55%がトップページ(/home)を訪問していることから、このページでは新規向けにページ内容を考える必要がありそうです。

例えば、サイト内をきちんと回遊してもらえるようにリンクをわかりやすくしたり、興味をそそる特集などを用意してあげるとよいのではないでしょうか。

新規ユーザーの訪問が多いページがリピーターを前提とした内容になっていたり、逆にリピーターが見るようなページが新規向けのコンテンツになっていたりしないようにすることが重要です。

特定のディレクトリからスラッシュ(/)を区切ってつづく下層ページだけに絞って分析したい方はアドバンスを使った方法もオススメです。

アドバンスをクリックし、検索ボックスに調べたいURLの一部などを入力し、「適用」ボタンをクリックします。
今回はアパレル系商品ページ(/google+redesign/apparel)と入力し、以下のようになりました。

新規ユーザーは女性よりも男性の方が多いことがわかり、服のカテゴリーではTシャツが人気であることがわかります。

例えば男性をターゲットにした集客施策を打ってみたり、メンズのグッズを多くしたり、また商品開発の段階で、男性受けのよいものをつくってみたりと改善策がでてきます。

流入元別で傾向を知る

「流入元×新規率・リピーター率」の組み合わせも、今後の施策を考えるうえで効果的な手法です。

「ユーザー」→「行動」→「新規とリピーター」をクリックした後、セカンダリディメンションで「集客」→「デフォルトチャネルグループ」を指定します。

そのままアドバンスをクリックし、ディメンションをユーザータイプに変更。
さらに「New Visitor」あるいは「Returning Visitor」に設定し、「適用」ボタンをクリックします。

「New Visitor」に絞って表示させた場合が上記です。
すると、新規ユーザーの獲得に一番貢献している流入元が明確になりました。

1位からノーリファラー、2位の有料検索、3位のディスプレイ広告と高いことがわかり、この結果から、「今後も広告コストを積極的に投下していこう」など、力を入れていく集客窓口が明確になります。

なお、リピーターに焦点をあてて流入元をみると、1位がアフィリエイト、2位がノーリファラー、そして3位、4位にディスプレイ広告と有料検索がつづき、新規の流入元と違った結果になりました。

新規ユーザーとリピーターへのアプローチ方法は別々にしたほうがよさそうです。

コンバージョンに至りやすい最適なリピート回数を把握しよう

コンバージョンのつながりやすさは、新規ユーザーよりもリピーターのほうが高い傾向にあると先述しました。

しかし一定のリピート回数を超えると、むしろコンバージョン率が落ち込むようなケースもしばしば見受けられますし、サイトの種類によっては新規ユーザーのコンバージョン率が高いことだってあります。

そのため、自身のサイトに訪れるユーザーは何回目の訪問でコンバージョンに至っているかを把握することがとても重要です。

ここでは、コンバージョンに至りやすい最適なリピート回数を知る方法について3つのステップで解説します。

  1. ユーザーの訪問回数の全体傾向を知る
  2. コンバージョンの多いリピート回数を知る
  3. 訪問回数ごとのコンバージョン率を把握する

STEP1.ユーザーの訪問回数の全体傾向を知る

「ユーザー」→「行動」→「リピートの回数や間隔」の順にクリックします。

傾向としては、リピート回数(セッション数)が多くなればなるほど、リピーターのセッションも少なくなっています。
ただ9~14、15~25のところで少し盛り返しているのがわかります。

このような9~25回も訪問してくれるユーザーはサイトのコンバージョンにどのぐらい貢献してくれているのでしょうか。

STEP2.コンバージョンの多いリピート回数を知る

コンバージョンに至ったユーザーに絞ってセグメントをかけ、先ほどの訪問回数を見てみましょう。

「すべてのユーザー」のチェックをはずし、「コンバージョンに至ったユーザー」を指定し、「適用」ボタンをクリックします。
その結果が以下になります。

なんと9~14、15~25回訪問してくれているユーザーのコンバージョンもそれなりに高いことがわかります。

最後に、訪問回数ごとのコンバージョン率を数値化してみましょう。

STEP3.訪問回数ごとのコンバージョン率を把握する

訪問回数ごとのコンバージョン率を把握するためには、各訪問回数において以下のように算出します。

コンバージョンに至ったユーザーのセッション数 ÷ すべてのユーザーのセッション数

そこで、先ほどのレポートを「コンバージョンに至ったユーザー」と「すべてのユーザー」の2軸でセグメントをかけて分析してみます。

「ユーザー」→「行動」→「リピート回数や間隔」レポートを開き、上記2つのセグメントをかけます。

今回知りたいのは訪問回数ごとのコンバージョン率であり、Googleアナリティクスのレポートに示された数値では不十分です。

そこで、エクスポートからExcelファイルを出力します。

各セッション回数(訪問回数)ごとにコンバージョン率を割り出していきます。
なお、余計な空白はフィルターをかけて消してしまいましょう。

上記のような表に仕上がったら、A列とF列をコピーし、別の場所に貼り付け、棒グラフを作成します。

Googleマーチャンダイズストアの場合、9~50回あたりの訪問までコンバージョン率が高いことがわかりました。

ECサイトではたくさん訪問してもらうほどコンバージョン率が高くなる傾向があり、今回もそれが顕著にあらわれたといっていいでしょう。

リピーターを増やすには会員制のメルマガを強化したり、季節ごとの特集ページをくんだり、キャンペーンを告知したりと様々な施策が考えられます。

リピーターはサイトのどんなコンテンツを見ている?

では、リピーターはサイトのどんなコンテンツを見ているのでしょうか。

これがある程度明確になれば、ユーザーのリピート回数を増やす施策が考えやすくなり、コンバージョン率も上がりそうです。

今回はリピーター群を区別するために、2~4の訪問回数のユーザーと5回以上の訪問回数のユーザーにわけ、Googleアナリティクスのレポートを見ていきます。

「行動」→「サイトコンテンツ」→「ディレクトリ」の順にレポートを開き、セグメントから赤色の「新しいセグメント」をクリックします。

まずは訪問回数が2~4回のリピーターを抽出するためのセグメントを設定していきます。

左下の「条件」をクリックし、フィルタのディメンションは「セッション数」に変更。
さらに、2≦セッション数≦4となるように入力し、セグメントの名前も「2≦セッション数≦4」としておきましょう。
「保存」ボタンを押したら、再度同じように訪問回数が5回以上のリピーターのセグメントをつくっていきます。

上記のように設定したら、「保存」をクリックします。

すると、訪問回数が2~4回のリピーター群と5回以上のリピーター群ごとにPV数やページごとのセッション数などが表示されました。

ページ別訪問数を見て、2~4回の訪問回数よりも5回以上の割合が高いページは、リピート回数が多くなればなるほど閲覧されやすくなるページです。

表示されたURLをクリックすると、下層ページの情報も確認できます。

Googleアナリティクスの新規とリピーター分析をマスターしよう!

Googleアナリティクスを使って新規とリピーターを分析する方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

今回は、「新規とリピーター」と「リピートの回数と間隔」の2つのレポートに関する内容が中心でしたが、このやり方以外にもセグメントを用いて分析する方法もあります。

セグメントで「新規ユーザー」や「リピーター」を指定すれば、どのレポートでも両方の傾向を把握でき、とても効果的です。

新規・リピーター分析はアクセス解析のなかでも重要項目なので、早急にマスターして、サイト改善に活かしていきましょう。