GA4で年齢や性別などのデータが表示されず、このように思ったことはないだろうか?
UA(ユニバーサルアナリティクス)のときもそうだったが、結論、年齢や性別といったユーザー属性に関するレポートはデフォルトでは見られないようになっているため、手動で設定を加える必要がある。

そこで本記事では、GA4で年齢や性別などのレポートが出ない場合の対処法について解説する。
年齢・性別のレポートがデフォルトで出ない理由
年齢や性別、インタレストカテゴリなどのデータがデフォルトで出てこない理由は、これらがユーザーのプライバシーにかかわる情報であり、利用規約に十分気をつける必要があるからである。
そもそもこれらのデータは、ユーザーによる行動履歴によって推計されており、例えば「ママのための子育てセミナー」の広告をクリックしたユーザーは、「20代後半~30代前半の女性で、子育てに関心を寄せているだろう」といったかたちで情報収集されている。
そのため、レポート画面に表示されるユーザー属性のデータは必ずしも正しいとは限らず、あくまで統計学的に推計しているだけなのだが、ユーザーのプライバシーに関わるデリケートな情報をもとにレポート化しているのもまた事実である。
近年、世の中のプライバシー保護に対する意識が高まっており、実際に海外では日本以上に厳しい規則・法律が敷かれているが、こういった背景はGoogleにとっても無視できない。たとえ匿名だったとしても、GA4を利用する人に対して慎重な取扱いを求めているのである。
広告のカスタマイズの設定がONになっており、自身のGoogleアカウントにログインした状態でネットを利用しているユーザーのみが対象となる。これらによって取得したデータは一般的に“Googleシグナル”と呼ばれる。
年齢・性別のレポートを確認できるようにする方法
画面左のメニューから「管理」>「データの収集」をクリックする。

「Googleシグナルのデータ収集」の枠にある「オンにする」をクリックする。

再度確認画面が表示されるため、再度「オンにする」をクリックする。

トグルがONになっていることを確認する。

これで完了である。
ただし、設定後すぐにレポートが見れるようになるわけではないため、焦らず24時間程度は待つようにしよう。

どれだけ待ってもレポートに出ない場合は、データにしきい値が適用されている可能性がある。
しきい値とは、個別ユーザーの身元が特定されないようにするためのもので、一部のデータがレポートから除外されるようなロジックになっている。
サイトへのアクセス数が非常に少なく、訪問したユーザーが限定的である場合などにこういったしきい値が適用されることがあるため、そのようなときは、レポートの対象期間を広げて含まれるユーザー数を多くするか、サイトを頑張って育ててアクセス数を増やすしかない。
Googleシグナルのデータ収集を行う上でのデメリットはある?
特段デメリットというものがあるわけではないが、ユーザーのプライバシー情報を取り扱うことになるので、いくつか留意するべきこともある。
具体的には以下に準拠する必要がある。
出所:[GA4] Google アナリティクスの広告向け機能に関するポリシー要件
EUユーザーの同意ポリシー
EU(ヨーロッパ諸国連合)では、2018年5月25日から「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation)」という個人データの保護に関する厳格な法律を定めており、EU圏内の企業はもちろんのこと、EU圏外にある企業であってもEU圏内に住んでいるユーザーの個人データを扱う場合は遵守する必要がある。
以下が、Googleシグナルのデータ収集をする際のEUユーザーの同意ポリシーである。
日本のユーザーの同意ポリシー
日本でも、海外ほど厳しくないものの遵守するべき点は当然ある。
具体的には、Googleアナリティクスで取得した個人が特定できないデータを、その他から取得した個人を特定できる情報と突合することは禁止である。
ただし、法律で義務付けられたすべての同意事項をユーザーから得ており、その処理に関する正確かつ完全な情報をGoogleのトラブルシューティングを介してGoogleに提供している場合は、特別に認められる。
パーソナライズド広告(旧:インタレストベース広告)の取扱いポリシー
サイトを訪れたユーザーのデリケートな情報をGoogleアナリティクスで取得している場合、Google アナリティクスを使ってパーソナライズド広告のデータを収集することはできない。
ユーザーのデリケートな情報とは、以下のようなものが該当する。
法律上の制限 | ・13歳未満のユーザー ・制限付き薬物に関するキーワード ・臨床試験の被験者募集 ・アルコール ・ギャンブル ・ロケーションベースのギャンブル |
個人的な苦難 | ・健康 ・厳しい経済状況 ・人間関係における困難 ・犯罪 ・虐待や心的外傷 ・マイナス思考の強制 |
アイデンティティや信条 | ・性的指向 ・政治的思想 ・政治に関するコンテンツ ・労働組合への加入状況 ・人種や民族 ・信仰 ・社会的に疎外された集団 ・トランスジェンダーの性別認識 |
性的な関心 | ・避妊 ・性的なコンテンツ |
機会へのアクセス(国がアメリカ・カナダの場合) | ・住居 ・求人 ・消費者金融 |
おわりに
本記事では、GA4で年齢・性別のレポートが出ない場合の対処法や、データ収集をする上での留意点について解説した。
よほどの理由がない限り、Googleシグナルのデータ収集の設定はONにしておくことが望ましいが、ユーザーのプライバシーに関わる重要な情報も握っていることは念頭において、サイト運営に活かすようにしよう。